椎間板ヘルニアと診断され、手術をするべきか悩んでおられる患者さんは多数おられることと思います。
現代病といわれる腰痛、「椎間板ヘルニア」の症状、治療法について解説します。
貴方の辛いしびれや痛みの症状、「椎間板ヘルニア」改善のヒントに役立ててください。
椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアは、背骨を構成する椎骨の間に存在するクッションの役割を果たす椎間板が、何らかの原因で外に飛び出し、神経を圧迫することによって痛みやしびれなどの症状を引き起こす状態を指します。
背骨は１本の骨ではなくて２４個の椎骨から形成されています。頚椎（7）胸椎（12）腰椎（5）と仙骨、尾骨から成り立っています。
そしてその椎骨と椎骨の間には椎間板というクッションがあります。この背骨の回りには筋肉があり、骨を支え、その筋肉の運動によって、身体を曲げたり伸ばしたりできるのです。
背骨の歪みは背骨全体のバランスを崩します。そうなると背骨の一部分にストレスがかかり、椎間板を突出させて脊髄神経を圧迫することがあります。この状態のことを椎間板ヘルニアと呼びます。
この状態は、特に頸椎や腰椎で発生することが多く、20代から40代の働き盛りの年代に多く見られます。
骨格が正常な人は、椎間板に均等に圧力がかかりますが、身体の歪みが大きい人は長時間のデスクワークや運転など、不自然な姿勢を長時間続けたり、腰に負担のかかる動作や激しい運動をしたりすると、椎間板に不均等な圧力がかかります。
このような日常生活の中でのさまざまな習慣が関与して、ヘルニアになる可能性が高くなると考えられます。
椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアの症状は、椎間板が飛び出て影響を受ける神経によって様々です。
ヘルニアは「飛び出す」という意味で最も頻出する場所は第４腰椎と第５腰椎間、そして第５腰椎と仙骨間の腰部で突出することがほとんどです。
多くの場合、痛みやしびれ、強度の場合には感覚の喪失や筋力の低下といった症状が現れます。特に腰椎椎間板ヘルニアの場合、腰痛だけでなく、坐骨神経痛としての足への放散痛が生じることがあります。
診断には、まず患者の症状や生活習慣の聴取が行われます。その後、物理的な検査によって症状の確認が行われ、必要に応じてMRIやCTスキャンが用いられ、椎間板の飛び出しや神経の圧迫の状態を確認します。これらの画像診断によって、椎間板ヘルニアの存在やその程度を正確に把握することが可能になります。
治療法としては、保存的治療が主に試みられますが、症状の改善が見られない場合には手術が必要となることもあります。
その中で、カイロプラクティック治療は、椎間板ヘルニアによる腰痛や坐骨神経痛の症状改善に役立つ場合があると言われています。
カイロプラクティックによる施術は、椎間板自体の治癒を直接促すものではありませんが、背骨や骨盤の矯正により全身のバランスを整え、痛みの原因となる神経の圧迫や筋肉の緊張を軽減させることで、症状の緩和を目指します。
カイロプラクティックの効果
カイロプラクティックは、主に背骨の矯正を中心に、脊椎や骨盤の正常な位置や動きを回復させることを目的とした手技療法です。
この治療法は、アメリカで生まれ、世界中で広く受け入れられている医療技術の一つです。腰椎椎間板ヘルニアの治療においても、動きが制限されている背骨の関節を特定し、適切な手技法によってその関節の動きを改善します。
この治療により、脊椎の歪みを矯正し、圧迫された神経を解放することで痛みやしびれ、坐骨神経痛などの症状の緩和が期待できます。
さらに骨盤矯正を行うことで全身のバランスを整え、その他の多くの健康問題にも効果が期待できます。
カイロプラクティックで椎間板ヘルニアを改善する効果とは？
施術方法と期待できる効果
カイロプラクティックは、身体の構造に着目し、その原因にアプローチすることによって、椎間板ヘルニアを含む様々な症状の改善を目指します。
椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッション材である椎間板が突出し、神経を圧迫する症状を引き起こしますが、カイロプラクティックによる施術は、慎重な診断のもとで、必要に応じた力の加減をしながら背骨や骨盤の調整を行い、正しい位置に戻すことで圧迫された神経の症状を緩和させます。
この施術により、椎間板にかかる圧力が減少し、痛みや坐骨神経痛などの症状の緩和が期待できます。
カイロプラクティックの効果は、単に痛みを和らげるだけではなく、体のバランスを整え、予防医療としてもその価値が認められています。また、メンテナンスとして定期的に受診することで、慢性的な問題の発生を未然に防ぐことが期待されます。
骨盤矯正の重要性
骨盤の位置が腰痛に与える影響は大きく、骨盤がゆがむことで椎間板ヘルニアの症状が強まることがあります。腰痛やヘルニアの改善には骨盤を正しい位置に正すことが重要です。
カイロプラクティックによる施術は背骨や骨盤の調整を行い、正しい位置に戻します。骨盤矯正によって神経や筋肉のバランスが整い、椎間板ヘルニアの痛みや圧迫を和らげることが期待できます。
椎間板ヘルニア患者の改善率についての研究データ
ヘルニアの外科的治療は再発することも多く、あまり効果が期待できないという研究報告が多数でてきました。アメリカではヘルニアの外科的手術は減少しています。
カイロプラクティック治療は椎間板ヘルニアに対し高い効果があるという研究結果が出ています。ヘルニアの患者がカイロプラクティック治療を受け、3ヶ月後には約90.5%の患者に改善が見られたというものです。
これらの結果は、カイロプラクティックが椎間板ヘルニアに伴う痛みや不快感の管理に有効であることを示唆するもので、また非手術的な選択肢として、多くの患者に支持されています。
椎間板ヘルニアの予防方法
椎間板ヘルニアを予防するためには生活習慣の改善が必要です。
腰部への負担は、日常生活のさまざまな動作によって引き起こされることが多いです。長時間の座り仕事、重い物の持ち運び、不適切な姿勢が持続することで、腰椎に大きな圧力がかかります。
適度な運動と姿勢に気を付けることで、椎間板への負担を軽減させることができます、デスクワークが多い場合は定期的に休憩をとり姿勢を正すように心がけましょう。重いものを持つときには腰を深く曲げずに膝を曲げて持ち上げるなど姿勢には気を配ることが大切です。
カイロプラクティックは、骨格の歪みを正すことで様々な健康問題を予防し、改善する効果が期待できます。
骨格の歪みを正確に診断し、適切な施術を行うことで、椎間板にかかる不要な圧力を取り除きます。これにより、椎間板ヘルニアの発生リスクを軽減し、すでに椎間板ヘルニアの症状がある場合でもその進行を遅らせることが可能です。
さらに、定期的なカイロプラクティックのメンテナンスによって、腰部の健康を維持し、将来的な問題の予防にも役立ちます。施術を通じて、椎間板への圧力が減少し、椎間板ヘルニアの発症リスクを減らすことができるのです。
当院のカイロプラクティックによる椎間板ヘルニアの改善
当院においても、すぐに手術しないといけないと言われた椎間板ヘルニアの患者様を、手術せずにカイロプラクティック治療で改善してきました。
当院は、手指で２４椎ある背骨を丁寧に触診して、背骨、骨盤、神経の圧迫などに合わせてカイロ施術を行いますが、患者様との問診やコミュニケーションも重要と考えています。
「腰が痛くてしびれるんです」
問診では最初はこのように訴える方が多いのですが、患者様が抱えている症状や不調について聞くことで
「最近は、特に朝起きた時や長時間座っていたときに 特にひどくなるんです」
「歩いているときや立ち上がる時に、足の裏にもしびれを感じることがあります」
このように患者様も整理しながら自分の不調を答えることができてきます。同時に自身の症状や治療に対しても積極的に関与していけることで、当院もその方に最適な治療プランを立てることができます。
椎間板ヘルニアは前後左右どこからでも突出しますが、右側に突出しますと右腰、右臀部、右下肢に痛みやしびれの症状が現れます。
当院に来院された椎間板ヘルニアの患者様の殆んどの方が、仙腸関節がずれて骨盤がゆがみ、腰椎は大きく曲がったり、ねじれたりしています。
これは日常の偏った身体の使い方や不良姿勢、筋肉のアンバランスなどで歪んだものでヘルニアの原因となるものです。
椎間板ヘルニアに対してカイロプラクティック治療は有効なアプローチである可能性が高いことが、
これまでの説明から理解いただけたかと思います。
カイロプラクティックは、腰痛や坐骨神経痛など椎間板ヘルニアによって引き起こされる症状の改善だけでなく、原因となる身体のバランスの乱れを整えることによって、椎間板ヘルニアの予防にも有効です。
完治までの期間は個人差はありますが、骨盤矯正や腰椎の矯正を通じて負担のかかる箇所への圧力を軽減し、身体の自然治癒力を最大限に活かすことがカイロプラクティックの大きな利点です。
カイロプラクティックは痛みの軽減だけでなく、生活の質を改善するための効果的な治療方法の一つとしてぜひ検討していただきたいです。
